シンデレラ・ウェディング


そして、


13年経った今も、変わらず鏑木さんだけは私の味方でいてくれている。


絵本を閉じて箱にしまうと、一気に現実へ引き戻された。


何も変わらない毎日。


先の見えない未来。


高校を卒業してから大学や専門学校へは行かせてもらえず、カフェレストランで正社員として働いている。


家を出たいと言ってもそれは叶わなかった。たぶん、鏑木さんがいない時の代わりとして私が必要なんだろう。家事は何ひとつやらない二人だから。


挙げ句、家に置いてあげるのだからと、給料は半分取り上げられてしまうのだ。


結婚でもできたら、この家から出られるのだろうか。


あいにく、そんな相手はいないけれど。


王子様なんて信じ続けている私が馬鹿なのかな・・・


もう13年か・・・忘れてしまっていてもおかしくはないよね・・・


そんなことを思いながら、ベッドに横になり目を閉じた。


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