君にありがとう【真人】





「あ、あたしも。真人先輩の彼女になれたことが、嬉しい、です」



 俯いてモゴモゴと口を動かす彼女。

 そんな彼女とはうらはらに、僕はすごく嬉しかった。

 僕だけじゃない。

 詩ちゃんも、僕の彼女になったことを喜んでいる。

 それがどれだけ嬉しいことか。




「詩ちゃん」



 愛おしい、彼女の名前を呼ぶ。

 顔を上げた彼女に、もう一度、贈り物を上げた。

 オレンジ色の花火が、打ち上がる。




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