君にありがとう【真人】
⒉ 夏祭りの日
あれから1週間後。
ようやく、待ちに待った夏祭りの日。
服装をどうしようかと、1時間ぐらい自問自答して、親に怒られた程だ。
結局、新しい浴衣を借りたんだけど。
紺色に黒の麻の葉模様が入っている浴衣。
帯は黒色。
正直、僕はカッコイイ浴衣だなって思う。
詩ちゃんは、どう思うかな?
ソワソワしながら、待ち合わせ場所で時間を潰した。
あまりにも待ち遠しくて、何回もスマホ画面を確認する。
あと10分・・・・・・。
「真人せんぱ〜い!」
突然、元気な声が僕の耳に響いた。
聞き覚えのある声で、僕が1番聞きたい音でもある。
「詩ちゃ・・・・・・」