君にありがとう【真人】
途中まで言って、息を呑んだ。
若草色の浴衣に、濃い緑で麻の葉模様の帯。
ショートの髪に、オレンジ色の花の髪飾りが付いていた。
いつもとは違う姿に、胸がドキドキした。
「可愛い・・・・・・」
不意に、そんな言葉が出た。
いや、可愛いだけじゃ物足りない気がする。
「なっ!?え!?」
ふと、詩ちゃんの方を見ると、顔を真っ赤にさせていた。
あまりの動揺に、つい吹き出しそうになった。
いや、吹き出した。
「フフフ、詩ちゃん。顔が真っ赤になってるよ」
「いや!?真人先輩のせいですからね!?」
怒鳴る彼女がまた面白くて、頬が緩む。