君にありがとう【真人】





「でも、ホントに可愛いんだよ?」

「お世辞はいいですから!」

「お世辞じゃないから」



 いつもの言い合いをする。

 それだけで、幸せな気分になる。



「・・・・・・ありがとうございます」



 最後は詩ちゃんが折れて、お礼を言う。

 無自覚なのか、自信を持ってもいいと思う。

 いつも笑顔でみんなと話す詩ちゃんは、本当に可愛いんだから。

 誰かに取られないか心配だし・・・・・・。



「ま・・・・・・まひと先輩!?」



 だから、抱きついた。

 ちゃんとここに、詩ちゃんがいることを確認したかった。

 まぁ、本人はすごく驚いてるけど・・・・・・。

 当たり前か。

 本当は離れたくないけど、さすがに詩ちゃんが困るかもしれないから、離れることにした。




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