君にありがとう【真人】
「それじゃあ、お祭りを楽しもう」
手を差し伸べる。
すると、戸惑いながらも嬉しそうに手を取る詩ちゃん。
それが可愛くて、しょうがなかった。
***
「先輩!りんご飴ありますよ!あ、わたあめも」
会場は、さまざまな出店があって賑わっていた。
そのお店を目の当たりにして、詩ちゃんは目をキラキラさせていた。
まるで小さい子供みたい。
僕はつい苦笑して、わたあめが打っているお店に行った。
「すみません、わたあめ下さい」
「はいよ。400円だよ」
高めのお値段だけど、出店らしいと言えばらしい。
僕は財布から小銭を取り出して、わたあめを手に入れた。