君にありがとう【真人】





 そして詩ちゃんの元へと戻った。



「はい、詩ちゃん」



 差し出すと、彼女は目を見開いた。



「え!?いいんですか!?」



 動揺しているけど、すごく目がキラキラしている。

 僕はニッコリと笑った。



「うん、詩ちゃんの為に買ったんだよ。だから、どうぞ」

「ありがとうございます!」



 受け取ると、すぐにわたあめを頬張った詩ちゃん。

 口に詰め込んで、まるでリスみたいだった。

 その姿が面白くて、つい吹き出した。



「ふぁんふぇすか?(なんですか?)」

「いや、なんだかリスみたいでさ」

「それ、褒めてます?」



 いつの間に飲み込んだのか、彼女は首を傾げた。




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