君にありがとう【真人】





「う〜ん、まぁ褒めてるよ」

「絶対褒めてないですよね!?」

「いや、褒めてる褒めてる」



 僕は君に本当のことを言っているけど、なぜか不服そうにしている。

 そんな姿も可愛いと思うのは、僕だけなのかな?



「真人先輩、そろそろ花火が上がるそうですよ」



 我に返ると、詩ちゃんはニコニコ顔で僕に教えてくれた。

 時計を見ると、確かに良い時間だった。



「そうだね。それじゃあ、そろそろ行こうか」



 ちょっぴり名残惜しいけど、一緒に花火を見たい。

 僕は詩ちゃんの手を握って、よく見える場所まで移動しようとした。



「ちょ、真人先輩!?」

「どうしたの?」

「こ、これ・・・・・・」




< 9 / 14 >

この作品をシェア

pagetop