俺様王太子に拾われた崖っぷち令嬢、お飾り側妃になる…はずが溺愛されてます!?
そう思いかけたそのとき、喫茶室をノックする音が聞こえた。
「何事だ。今は来客中だぞ」
控えろと訪問者を睨むと、そこに立っていたのは自身の腹心であるサミュエルとカインだった。
「殿下、至急の要件が」
そう囁いたサミュエルの顔色は悪く、すぐにただ事ではないとわかった。
アルフレッドは目配せすると一旦離席して、詳しい話を聞くことにした。
「突然、どうした」
隣の部屋に移動したアルフレッドは、サミュエルとカインを睨み付ける。
「ベアトリスがいなくなりました」
「何?」
「連れ出されました」
頭が真っ白になった。
「どういうことだ!」