俺様王太子に拾われた崖っぷち令嬢、お飾り側妃になる…はずが溺愛されてます!?
ベアトリスは即座に否定する。
「そうか、そうか」
アルフレッドはくくっと笑う。
(くー、悔しいっ!)
完全に遊ばれている。
「今回の事件、売春組織の件が出てきた途端にやけに腹を立てていたから、あらぬ心配しているのかと思った」
アルフレッドがベアトリスを見つめ、ふっと笑う。
「それは、別に殿下の浮気の心配をしていたわけではありませんのでご心配なく。被害にあった女性達の心配をしていたのです。自ら進んでその道に進んだのなら止めませんが、望んでいないのならそういう行為は愛した人としかするべきではありません」
「なるほど。お前の貞操観念はよく理解した」
「それはよかったです。では、この手を放してください」
ベアトリスはアルフレッドに握られたままの左手を引く。しかし、しっかりと握られていてびくともしない。
「その要望は聞けないな」
「なぜ!」