翔ちゃんは、幽霊なんて信じな、い?
「っていう怪談だった訳だけど、本当に階段出てきちゃったね……!」
夜の学校にて。
先日に引き続き翔ちゃんと私は、件の三不思議の内の二つ目を試そうと、3階へと繋がる階段でスタンバイしていた。ら、本当に出てきた。
先日の様に飽きた翔ちゃんが寝たらどうしようと、少し心配だったけど、どうやら今日は元気らしい。
いつもより眼がキラキラしていて(当社比)美しさに磨きがかかってる気がする。ちなみにそれを伝えたら普通に無視された。
「教室札が全部4-4ねぇ……寝ぼけて見間違えたんじゃねーの?」
「さすがにそこまで見間違えるかなぁ……?」
「ま、行ってみりゃわかるか」
「え?! そ、そんなあっさり?!」
長居すると戻れなくなるの知ってるよね?!と、聞くと、翔ちゃんはフッと笑った。
「何、怖気づいた?」
妖艶とはまさにこーいうことだという手本のようなその笑み。いや、本当困る。
「怖いならここで待ってろよ」
「ここまで来て?!」
「そ。で、もし俺が戻って来なかった時には……」
「時には?」
「俺のことは最初からいなかったもんだと思え」
そう言って翔ちゃんが笑う。
「そんな縁起でもないこと言わないでよ!」
なんだか翔ちゃんが本当に消えてしまいそうで、私はつい大きな声を出してしまう。
「絶対私達なら大丈夫だよ! だって何があっても私がいるし! 正直4階から戻れなくなったらどうしようとかは思うけど、私的には翔ちゃんがいるなら何処でもやってく自信はあるっていうか……!」
きゃー言ってしまった!と、翔ちゃんの反応が気になりバッと振りかえる。
しかし。
「あれッ?! 翔ちゃんいない!! どこー!?」
もしかしなくても先に行った、、?
「ッ翔ちゃん待ってー!!!」