翔ちゃんは、幽霊なんて信じな、い?
でも、もうここまで来たんだ。覚悟はしてる。

「……はい」

「彼の願いが他の女性との両思いだとしても……?」

 思いがけない問いかけに頭がフリーズする。

(そ、そうか、翔ちゃん、そんな事を願ってたのか……)

「……それでも本当に貴方は良いのですね?」

カミサマは試すように問いかける。

でも答えはもうずっと前からきまっている。

「良いです。私は翔ちゃんの笑ってる顔が一番好きだから。本当は、私が一番近くにいて、楽しそうにしてくれるのが理想だけど、突き詰めたら翔ちゃんが幸せなら、その相手が私かどうかなんてすごくちっぽけな事なので……」

「……そう、わかったわ」

「その、私はこれからどうすれば?」

「……貴方何か良いもの物持ってるわね?」

「え?特に身一つだと思いますけど……」


ゴソゴソとポケットを探ると、何故か女の子から貰ったハサミがポケットから出てくる。
小さいとは言えギリギリ入るか入らないかの大きさなのに。

「ちょっと借りるわね」

カミサマにハサミを手渡すと、シャキシャキと切れ味?を確かめていた。

あれで刺されるんだろうか……覚悟してたけど痛いのは嫌だなと思った。

「……さて。では、翔ちゃんとやらの願いを叶えてあげる。対価はあなたから頂くわ……動いてはダメよ?」

カミサマの言葉にギュッと目をつむる。
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