翔ちゃんは、幽霊なんて信じな、い?

「ま、ああいう時って色々と関連づけたくなる物よね」

何だか脱力してしまって、どっと気が抜けた。

「あの、それで私はこれからどうなるんでしょうか?お、恐らくというか多分というか、頭に机がぶつかって、し、しんだっぽいんですけど……」

自分自身でも何を言ってるんだという感じだが、あの衝撃は恐らくそういう事だろう。
何故だか今は全く痛くないのが不思議だけど。

「言ったでしょ、願いは叶えたって」

「でもそれは翔ちゃんの、ですよね?その、どこの馬の骨ともわからない女との両思い祈願」


「貴方も意外に言うわね。でも、そうじゃないわよ」

カミサマは悪戯っぽくニヤリとした。

「ちょっと遠回りだけど、貴方がいなきゃ彼の願いは叶いっこないもの。うん!これが最適解の願い事だわ」

1人納得する髪様に首を捻る。

「私が、翔ちゃんに何かしてあげるって事ですか?」

「まあ平たく言うとそういう事ね。でも特別な事はしなくて良いのよ?貴方は元気いっぱいで、彼の側にいるだけで良いのよ」

それは今までと大して変わらないような、と思った瞬間、周りが光で包まれる。
視界に入った膝の痣が綺麗に治っているのに気づいた、

「髪様……!あの、ありが……」

お礼を言い終わらない内に、髪様の輪郭が曖昧になる。
そうして光で目が開けられなくなったと同時に私は本日2回目の意識を手放した。
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