翔ちゃんは、幽霊なんて信じな、い?
パソコン室の一番前にある先生用の席に椅子を並べ2人で座る。
翔ちゃんがただ待つのも暇だから何か面白い話をしてくれと、芸人さんでも困るフリをしてきたので渾身の持ちネタを披露してたと言うのに、さっきから全く反応がない。
「ねえ翔ちゃん聞いてる……」
の? と、横を見れば翔ちゃんは、すうすうと健やかな寝息を立てて眠っていた。自分が無茶振りしたのに!
「ちょっと起きてよ翔ちゃんってば! もー寝顔可愛いなッ!!」
普段は見ることが出来ないその長いまつ毛をマジマジと凝視してると、翔ちゃんの無意識の右手がぺちっと私の顔を押しのけた。
「……ん……うるさ……い……」
「ガチ寝じゃん……ん?」
不意に視界の隅に何かの光を感じる。
それはちょうど教室の真ん中にあるパソコンだった。
恐る恐るパソコンに近づき、モニターを見る。
そこに表示されていたのは真っ白の背景に、真ん中には検索窓の四角……
それは紛れもなく怪談のお化けパソコンの画面だった。