初恋の彼の極秘任務!?
 大和くん……。
 いつもより、声のトーンが低い。

 あの時と同じだ。
 三人の女の子に、廊下で文句言われてたときに助けてくれたときと同じ。

 また大和くんに迷惑かけちゃった。

 私が悪いのかな?

 もう分からない。


 ──ガタンッ。

 私は、いても立ってもいられなくなり、教室を飛び出した。


 まだ朝の登校時間だったこともあり、廊下はさわがしい。
 それがせめてもの救いだった。
 私が廊下へ飛び出しても、誰も不思議がらない。

 目からは涙がこぼれ始めていたけど、そんなことどうでもいい。
 でも、たったひとりだけ……声をかけてきた人がいたんだ。


「相沢さん? どうしたの?」


 それは、陸斗くんだった。

< 74 / 113 >

この作品をシェア

pagetop