似非聖女呼ばわりされたので、スローライフ満喫しながら引き篭もります
その25
「ち、違わなくないよ!僕は聖女オリヴィアの元にやって来た正真正銘、神に仕えし聖獣、または聖鳥フェニックスのフェリスクだよっ」
フェリクスは羽を忙しなくバタバタビチビチと動かし、巨体でピョンピョンと飛び跳ねた。
魔獣の疑いを向けられていたが、なんと真逆の聖獣だと本人は言う。
「それにオリヴィアにその羽を授けたのも僕だしね!」
サラッと衝撃の一言を言われ、オリヴィは一瞬固まったが、すぐにパニックになった。
「えええええ!?あ、ああああ貴方でしたか!?やっと、皆さま、やっと私を呪った方の正体が判明しました!!私やはり呪われていたようですっ!」
「呪いじゃないよ、祝福だよ!オリヴィアが聖女じゃないなんて、馬鹿王子達に否定されてたから、居ても立っても居られなくてオリヴィアの背中に羽を急いで授けたんだっ」
「なん……ですって……!!?」
またも衝撃だった。
それにこの鳥は、オリヴィアと羽のこれまでの経緯を、ちゃんと把握しているようだ。デマかせのようには思えない。
「確かに、陛下やその場にいた貴族達は誰もがオリヴィア様の事を真なる聖女だと元々分かっていましたが。オリヴィア様の羽の出現により、それは更に揺るぎない物となったようです」
グレンは妙に納得したようだが、オリヴィアは何処か遠い目をしている。
「祝福……それは受けた本人が不服、または不本意だと感じたら、それは祝福だとしても呪いと同じなのです……」
静まり返ったダイニングで、皆んなが見守る中、オリヴィアは死んだ目で淡々と悟ったように呟く。
それを見てクリストファーとミシェルは、互いにボソリと耳打ちする。
「流石聖女様……祝福という言葉に惑わされず、本質を見ていらっしゃるな…」
「でも目が死んでるよ…」
固唾を飲んで皆んなが見守る中、フェリスクは言う。
「だ、だったら…邪魔な時は羽を消してしまって、羽は使いたい時にだけ羽を出現させたらいいじゃないかっ」
「え……」
再びオリヴィアはピタリと動きを止めた。
「消せるんですかこれ!?」
また新たな事実が発覚した。
「そうだよっ」
「それで、どうやって消すんですかコレ?」
「え?」
「この羽って、どうやって仕舞うんですかっ?」
期待と希望に満ちた表情と、瞳をキラキラと煌めかせ、オリヴィアはフェリスクの次の言葉を待った。
使いたい時にだけ羽を出現させて飛ぶことが出来るのであれば、とても便利な物ではないか!
今まで呪いだと思っていたのが、嘘のように有り難く感じてしまった。
そんなオリヴィアを見て…。
「じゃあ僕はこれで」
「何処に行くんですかっ」
フェリスクは飛び立とうとした。
だが秒でオリヴィアに捕まった。
「さんざん食べ物を食べたでしょう!?食べるだけ食べて、まさか食い逃げですかっ!?」
「僕は鳥さんだから元々羽を持って産まれてきたから、祝福で授ける事は出来ても、祝福の羽の消し方迄は知らないんだよっ」
「えええっ、そんなー!」
「そ、それに……祝福の羽の使い方が分からない聖女なんて聞いたことがないんだもんっ」
それを聞いてオリヴィアは青ざめた。
「わ、私…私はやはり…聖女ではない…もしくは落ちこぼれなのでしょうか……」
落ち込み、涙を零し始めたオリヴィアに、手の中に収まっているデブ鳥、フェリスクは優しく語りかける。
「大丈夫だよオリヴィア」
「鳥さん……」
「神から遣わされた僕には、オリヴィアが聖女だって事がハッキリと分かってる。それに祝福を授ける事が出来る時点で、オリヴィアは聖女である事が証明されてるよ」
「本当ですか……?……ぐすっ…」
「本当だよ。それに、人間で背中から羽を生やす事ができるような、そんな変態体質なんてオリヴィア以外にはいないよ!自信持って!」
「言い方っっ」
オリヴィアの涙は引っ込んだ。
フェリクスは羽を忙しなくバタバタビチビチと動かし、巨体でピョンピョンと飛び跳ねた。
魔獣の疑いを向けられていたが、なんと真逆の聖獣だと本人は言う。
「それにオリヴィアにその羽を授けたのも僕だしね!」
サラッと衝撃の一言を言われ、オリヴィは一瞬固まったが、すぐにパニックになった。
「えええええ!?あ、ああああ貴方でしたか!?やっと、皆さま、やっと私を呪った方の正体が判明しました!!私やはり呪われていたようですっ!」
「呪いじゃないよ、祝福だよ!オリヴィアが聖女じゃないなんて、馬鹿王子達に否定されてたから、居ても立っても居られなくてオリヴィアの背中に羽を急いで授けたんだっ」
「なん……ですって……!!?」
またも衝撃だった。
それにこの鳥は、オリヴィアと羽のこれまでの経緯を、ちゃんと把握しているようだ。デマかせのようには思えない。
「確かに、陛下やその場にいた貴族達は誰もがオリヴィア様の事を真なる聖女だと元々分かっていましたが。オリヴィア様の羽の出現により、それは更に揺るぎない物となったようです」
グレンは妙に納得したようだが、オリヴィアは何処か遠い目をしている。
「祝福……それは受けた本人が不服、または不本意だと感じたら、それは祝福だとしても呪いと同じなのです……」
静まり返ったダイニングで、皆んなが見守る中、オリヴィアは死んだ目で淡々と悟ったように呟く。
それを見てクリストファーとミシェルは、互いにボソリと耳打ちする。
「流石聖女様……祝福という言葉に惑わされず、本質を見ていらっしゃるな…」
「でも目が死んでるよ…」
固唾を飲んで皆んなが見守る中、フェリスクは言う。
「だ、だったら…邪魔な時は羽を消してしまって、羽は使いたい時にだけ羽を出現させたらいいじゃないかっ」
「え……」
再びオリヴィアはピタリと動きを止めた。
「消せるんですかこれ!?」
また新たな事実が発覚した。
「そうだよっ」
「それで、どうやって消すんですかコレ?」
「え?」
「この羽って、どうやって仕舞うんですかっ?」
期待と希望に満ちた表情と、瞳をキラキラと煌めかせ、オリヴィアはフェリスクの次の言葉を待った。
使いたい時にだけ羽を出現させて飛ぶことが出来るのであれば、とても便利な物ではないか!
今まで呪いだと思っていたのが、嘘のように有り難く感じてしまった。
そんなオリヴィアを見て…。
「じゃあ僕はこれで」
「何処に行くんですかっ」
フェリスクは飛び立とうとした。
だが秒でオリヴィアに捕まった。
「さんざん食べ物を食べたでしょう!?食べるだけ食べて、まさか食い逃げですかっ!?」
「僕は鳥さんだから元々羽を持って産まれてきたから、祝福で授ける事は出来ても、祝福の羽の消し方迄は知らないんだよっ」
「えええっ、そんなー!」
「そ、それに……祝福の羽の使い方が分からない聖女なんて聞いたことがないんだもんっ」
それを聞いてオリヴィアは青ざめた。
「わ、私…私はやはり…聖女ではない…もしくは落ちこぼれなのでしょうか……」
落ち込み、涙を零し始めたオリヴィアに、手の中に収まっているデブ鳥、フェリスクは優しく語りかける。
「大丈夫だよオリヴィア」
「鳥さん……」
「神から遣わされた僕には、オリヴィアが聖女だって事がハッキリと分かってる。それに祝福を授ける事が出来る時点で、オリヴィアは聖女である事が証明されてるよ」
「本当ですか……?……ぐすっ…」
「本当だよ。それに、人間で背中から羽を生やす事ができるような、そんな変態体質なんてオリヴィア以外にはいないよ!自信持って!」
「言い方っっ」
オリヴィアの涙は引っ込んだ。