狼男な彼女
「悠君、大丈夫?」

心配そうな顔の彼女が冷たいコンクリートに横たわる俺の顔を覗き込んでいる。

否、心配しているのだ。

彼女の一連の打撃は無意識下での行動なのだから。

「いきなり倒れるから、死んじゃったかと思ったんだから」

顔の面積に対して大きめの瞳に涙を溜めて、鼻声で彼女が言う。

それはズルい。

痛みが一瞬消えるくらいかわいい。

「どこが痛いの?痛いの痛いのとんでけしてあげる」

反則だ。

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