狼男な彼女
かわいすぎる。

その時、上り線の到着を告げる無機質な放送が流れた。

俺は痛む体を無理矢理に立ち上がらせ、貼り付けた笑顔で彼女とオレンジ色の電車に乗り込んだ。

童顔で小さく、ふわふわしたイメージがある彼女は俺の好みのど真ん中だった。

入学式で一目惚れした俺は、十ヶ月に渡るアピールを重ね、一週間前に念願のカップルになることが出来たのだが。

俺は、桁外れの容貌を持つ彼女がフリーだった理由を嫌と言うほど思い知っていた。

その原因は、彼女の厄介な性質にあった。

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