契約妻失格と言った俺様御曹司の溺愛が溢れて満たされました【憧れシンデレラシリーズ】
プロローグ 三葉夫妻の朝
一日の始まり、まだほとんど目も開いていないうちに熱いコーヒーを飲むのが、三葉楓(みつばかえで)の習慣だ。
スーパーで買ってきたインスタントの粉をたっぷりの砂糖とミルクで甘く淹れる。
それをちびちびと飲みながらゆっくりと目を覚ますのだ。
今朝も楓は、ぴりりりと鳴る携帯のアラームを聞いてむくりと起き上がりベッドを出る。
まだ半分寝ぼけながら寝起きしている三葉家の別棟を出て、渡り廊下を本棟へ向かってふらふら歩く。
楓が生活している別棟にはバスルームとトイレはついているがキッチンはないから、コーヒーを淹れるためには本棟へ行く必要があるのだ。
都内の一等地にあるこの広々とした一軒家は、海運会社に勤めるしがないOLの楓には、少々贅沢すぎる。
住み始めた頃はおっかなびっくり歩いたものだが、さすがに半年が経った今は慣れた。
ぼんやりしながらキッチンに足を踏み入れ、冷蔵庫から牛乳を出そうと取っ手に手をかけた時。
「おはよう」
突然声をかけられて、飛び上がるほど驚いてしまう。振り返ると、リビングのソファに夫の三葉和樹(みつばかずき)が座っていた。
「あ……お、おはようございます」
目をパチパチとさせて楓は答える。一気に目が覚めてしまった。
この時間に、彼がここにいるのは珍しいことだからだ。
楓が勤める三葉商船株式会社の代表取締役副社長である彼の毎日は忙しい。
スーパーで買ってきたインスタントの粉をたっぷりの砂糖とミルクで甘く淹れる。
それをちびちびと飲みながらゆっくりと目を覚ますのだ。
今朝も楓は、ぴりりりと鳴る携帯のアラームを聞いてむくりと起き上がりベッドを出る。
まだ半分寝ぼけながら寝起きしている三葉家の別棟を出て、渡り廊下を本棟へ向かってふらふら歩く。
楓が生活している別棟にはバスルームとトイレはついているがキッチンはないから、コーヒーを淹れるためには本棟へ行く必要があるのだ。
都内の一等地にあるこの広々とした一軒家は、海運会社に勤めるしがないOLの楓には、少々贅沢すぎる。
住み始めた頃はおっかなびっくり歩いたものだが、さすがに半年が経った今は慣れた。
ぼんやりしながらキッチンに足を踏み入れ、冷蔵庫から牛乳を出そうと取っ手に手をかけた時。
「おはよう」
突然声をかけられて、飛び上がるほど驚いてしまう。振り返ると、リビングのソファに夫の三葉和樹(みつばかずき)が座っていた。
「あ……お、おはようございます」
目をパチパチとさせて楓は答える。一気に目が覚めてしまった。
この時間に、彼がここにいるのは珍しいことだからだ。
楓が勤める三葉商船株式会社の代表取締役副社長である彼の毎日は忙しい。