契約妻失格と言った俺様御曹司の溺愛が溢れて満たされました【憧れシンデレラシリーズ】
「いや今日食べたい。その気になってしまったら、明日まで待てないよ。……楓のカレーって、なんか中毒性があるんだよな。ゴロゴロ野菜が……」
「そんな、大袈裟な!」
楓はぷっと噴き出した。
「市販のルーで作ったただの甘口カレーです」
「そうだけど、俺には世界一美味しく感じるんだよ。忙しくてなかなか家に帰れない時なんかに、無性に食べたくなる。置いといてくれるだけでいいから、温めは自分でする」
そう言って彼は、楓をギュッと抱きしめる。
「じゃあ、いってくるよ」
「いってらっしゃい。気をつけて」
広い背中に腕を回して楓も彼に答えた。
リビングを出ていく彼を見送り、また温かいコーヒーを飲む。胸の中が幸せな思いでいっぱいだった。
何気ないやり取りをしてちょっとしたことで笑い合う。
特別なことはなにもなくても、互いに互いを必要としていることはしっかりと感じられる。これが夫婦というものなのだ。
自分がこんな日常を送れることが嬉しくてたまらなかった。もうひと口コーヒーを飲み、ふふふと笑みを浮かべて、楓は小さな声で呟いた。
「福神漬け、たくさん買わなくちゃ」
了
「そんな、大袈裟な!」
楓はぷっと噴き出した。
「市販のルーで作ったただの甘口カレーです」
「そうだけど、俺には世界一美味しく感じるんだよ。忙しくてなかなか家に帰れない時なんかに、無性に食べたくなる。置いといてくれるだけでいいから、温めは自分でする」
そう言って彼は、楓をギュッと抱きしめる。
「じゃあ、いってくるよ」
「いってらっしゃい。気をつけて」
広い背中に腕を回して楓も彼に答えた。
リビングを出ていく彼を見送り、また温かいコーヒーを飲む。胸の中が幸せな思いでいっぱいだった。
何気ないやり取りをしてちょっとしたことで笑い合う。
特別なことはなにもなくても、互いに互いを必要としていることはしっかりと感じられる。これが夫婦というものなのだ。
自分がこんな日常を送れることが嬉しくてたまらなかった。もうひと口コーヒーを飲み、ふふふと笑みを浮かべて、楓は小さな声で呟いた。
「福神漬け、たくさん買わなくちゃ」
了