契約妻失格と言った俺様御曹司の溺愛が溢れて満たされました【憧れシンデレラシリーズ】
美の軍団が着ているような気合いの入ったものまではいかないでも、皆思い思いの服装で出勤している。
楓はいつも紺色か黒の膝丈のスカートに、白のカットソー紺色のカーディガンだった。
節約生活で服装にお金をかける余裕はないし、外部の人と会う予定があるときはジャケットを羽織るだけでちゃんとして見えるから便利なのだ。
地味だと言われているのは知っているが、そもそも会社は仕事をする場所なのだから可愛くしている必要はない。
「ちゃんと、洗濯しています。同じ物を何枚か持っているので、毎日同じに見えるだけです!」
ムッとして言い返すと、間髪入れず言葉が返ってきた。
「だが、私の妻としては相応しくない」
「なっ……」
「いいか?」
和樹がテーブルに身を乗り出した。
「仮面夫婦と言われているのは、君のそのあまりにも地味な身なりと、今までと変わらなさすぎる態度だ。今日、久しぶりに改めて君を見てわかったよ。君は私の妻どころか、人妻にさえ見えない」
失礼すぎる物言いに、自らはっきり言ってくださいと言ったのも忘れて、がまんできずに楓は言い返す。
「だけどそれはお互いさまじゃないですか? 副社長こそ結婚されているようには思えません」
負けてられないと思い楓は言った。
本当のところ男性の未婚と既婚を見分けることは楓にはできないが、言われっぱなしは嫌だった。
和樹がため息をついた。
楓はいつも紺色か黒の膝丈のスカートに、白のカットソー紺色のカーディガンだった。
節約生活で服装にお金をかける余裕はないし、外部の人と会う予定があるときはジャケットを羽織るだけでちゃんとして見えるから便利なのだ。
地味だと言われているのは知っているが、そもそも会社は仕事をする場所なのだから可愛くしている必要はない。
「ちゃんと、洗濯しています。同じ物を何枚か持っているので、毎日同じに見えるだけです!」
ムッとして言い返すと、間髪入れず言葉が返ってきた。
「だが、私の妻としては相応しくない」
「なっ……」
「いいか?」
和樹がテーブルに身を乗り出した。
「仮面夫婦と言われているのは、君のそのあまりにも地味な身なりと、今までと変わらなさすぎる態度だ。今日、久しぶりに改めて君を見てわかったよ。君は私の妻どころか、人妻にさえ見えない」
失礼すぎる物言いに、自らはっきり言ってくださいと言ったのも忘れて、がまんできずに楓は言い返す。
「だけどそれはお互いさまじゃないですか? 副社長こそ結婚されているようには思えません」
負けてられないと思い楓は言った。
本当のところ男性の未婚と既婚を見分けることは楓にはできないが、言われっぱなしは嫌だった。
和樹がため息をついた。