契約妻失格と言った俺様御曹司の溺愛が溢れて満たされました【憧れシンデレラシリーズ】
彼女たちを見慣れている和樹にとっては物足りないに違いない。やっぱり楓には、彼の妻のふりは無理だと思ったのだろうか?
まさか……ここで契約終了?
「あの……副社長?」
あまりにも長い彼の沈黙に、楓は思い切って呼びかける。
すると彼は瞬きをして気を取り直したように咳払いをした。
「いや、まぁ……合格だ」
その言葉に、楓はホッと息を吐く。
"よかった……"と言いかけて、ハッとして口を閉じた。
『合格だ』なんて自分を上から目線で評価する最低の言葉じゃないか。
それなのにそれを嬉しく思うなんて、今日の自分はどうかしている。
素敵なヘアカットとメイクの魔法に、浮かれてしまっているのかもしれない。
和樹が眉を寄せた。
「だが『副社長』はダメだ。どこの世界に夫を役職で呼ぶ妻がいる? これからは名前で呼べ」
彼の口から出た唐突な要求に、今度は楓が目を見開いた。
「え? な、名前って……⁉︎ まさか下の名前ですか?」
「まさかとはなんだ。それ以外になにがある? 俺もこれからは君を下の名前で呼ぶことにする」
「え、そ、そんなの、無理です。できません!」
楓はぶんぶんと首を振った。
彼が楓を名前で呼ぶのはともかくとして、楓が彼を名前で呼ぶなんて、どう考えてもありえない。絶対に無理だ。
「できませんじゃない、やるんだ。名前も呼び合わないようじゃ、夫婦とは言えないだろう?」
「で、でも……」
すると彼は楓に歩み寄り、楓の腕をぐいっと引く。
まさか……ここで契約終了?
「あの……副社長?」
あまりにも長い彼の沈黙に、楓は思い切って呼びかける。
すると彼は瞬きをして気を取り直したように咳払いをした。
「いや、まぁ……合格だ」
その言葉に、楓はホッと息を吐く。
"よかった……"と言いかけて、ハッとして口を閉じた。
『合格だ』なんて自分を上から目線で評価する最低の言葉じゃないか。
それなのにそれを嬉しく思うなんて、今日の自分はどうかしている。
素敵なヘアカットとメイクの魔法に、浮かれてしまっているのかもしれない。
和樹が眉を寄せた。
「だが『副社長』はダメだ。どこの世界に夫を役職で呼ぶ妻がいる? これからは名前で呼べ」
彼の口から出た唐突な要求に、今度は楓が目を見開いた。
「え? な、名前って……⁉︎ まさか下の名前ですか?」
「まさかとはなんだ。それ以外になにがある? 俺もこれからは君を下の名前で呼ぶことにする」
「え、そ、そんなの、無理です。できません!」
楓はぶんぶんと首を振った。
彼が楓を名前で呼ぶのはともかくとして、楓が彼を名前で呼ぶなんて、どう考えてもありえない。絶対に無理だ。
「できませんじゃない、やるんだ。名前も呼び合わないようじゃ、夫婦とは言えないだろう?」
「で、でも……」
すると彼は楓に歩み寄り、楓の腕をぐいっと引く。