契約妻失格と言った俺様御曹司の溺愛が溢れて満たされました【憧れシンデレラシリーズ】
「やっと終った……」
スタッフたちが品物を片付けている隣で、ソファに腰を下ろし楓はぐったりとして呟いた。
向かいの席に座る和樹は、涼しい顔だった。
アクセサリーを選んだ後も買い物は続いた。
楓に必要な靴や鞄まで揃えたからだ。ようやく和樹が納得するものすべてを買い終えた今、もう午後三時を回っている。
もうくたくただった。
そもそも、たくさんのスタッフに囲まれて、まるでお姫さまように扱われるという状況もはじめてのことなのだ。
それに加えて、彼の言動にジェットコースターのように上がったり下がったり、いちいち反応してしまうのに疲れてしまっている。
資格試験の勉強をしている方が何倍もましだと思うくらいだった。
「疲れた……」
肘置きに突っ伏してうなだれる楓に、和樹が首を傾げ、からかうような言葉を口にする。
「なんだ? 意外とやわなんだな。鉄の女は年度末に戦場と化した経理課でも平然と残業をこなしているという話だが。……あれはデマか?」
「それとこれは別です! ……仕事の方がよっぽど楽ですよ」
顔を上げて反論すると、和樹がくっくっと肩を揺らして笑った。
彼の方はまったく疲れていないようだ。楓の物を選びながら、合間合間に仕事までしていたというのに。
いったい、どういう体力の持ち主なのだ?と考えて、いや違うと思いあたる。彼がまったく疲れていないのは、女性とのこういうデートに慣れているからだ。
楓の胸がツキンと鳴って灰色のもやもやとした気持ちが広がっていく。
いったい、この気持ちはなんだろう?
悔しいような、寂しいような……。
「三葉さま、そろそろよろしいでしょうか?」
すべての商品の運び出しが完了したのを見届けて、ホテルのスタッフが和樹に向かって声をかける。
「ああ、準備してくれ」
和樹が答えると、ワゴンを押した別のスタッフが入ってきた。
ワゴンには、スコーンやケーキ、サンドイッチなどのたくさんの食べ物が載っている。
紅茶とともに、楓の前のテーブルに並べられていく。
「これ……。もしかして、アフタヌーンティーですか?」
和樹が頷いた。
「ああ、そうだ」
「美味しそう!」
スタッフたちが品物を片付けている隣で、ソファに腰を下ろし楓はぐったりとして呟いた。
向かいの席に座る和樹は、涼しい顔だった。
アクセサリーを選んだ後も買い物は続いた。
楓に必要な靴や鞄まで揃えたからだ。ようやく和樹が納得するものすべてを買い終えた今、もう午後三時を回っている。
もうくたくただった。
そもそも、たくさんのスタッフに囲まれて、まるでお姫さまように扱われるという状況もはじめてのことなのだ。
それに加えて、彼の言動にジェットコースターのように上がったり下がったり、いちいち反応してしまうのに疲れてしまっている。
資格試験の勉強をしている方が何倍もましだと思うくらいだった。
「疲れた……」
肘置きに突っ伏してうなだれる楓に、和樹が首を傾げ、からかうような言葉を口にする。
「なんだ? 意外とやわなんだな。鉄の女は年度末に戦場と化した経理課でも平然と残業をこなしているという話だが。……あれはデマか?」
「それとこれは別です! ……仕事の方がよっぽど楽ですよ」
顔を上げて反論すると、和樹がくっくっと肩を揺らして笑った。
彼の方はまったく疲れていないようだ。楓の物を選びながら、合間合間に仕事までしていたというのに。
いったい、どういう体力の持ち主なのだ?と考えて、いや違うと思いあたる。彼がまったく疲れていないのは、女性とのこういうデートに慣れているからだ。
楓の胸がツキンと鳴って灰色のもやもやとした気持ちが広がっていく。
いったい、この気持ちはなんだろう?
悔しいような、寂しいような……。
「三葉さま、そろそろよろしいでしょうか?」
すべての商品の運び出しが完了したのを見届けて、ホテルのスタッフが和樹に向かって声をかける。
「ああ、準備してくれ」
和樹が答えると、ワゴンを押した別のスタッフが入ってきた。
ワゴンには、スコーンやケーキ、サンドイッチなどのたくさんの食べ物が載っている。
紅茶とともに、楓の前のテーブルに並べられていく。
「これ……。もしかして、アフタヌーンティーですか?」
和樹が頷いた。
「ああ、そうだ」
「美味しそう!」