契約妻失格と言った俺様御曹司の溺愛が溢れて満たされました【憧れシンデレラシリーズ】
午後十時を過ぎた三葉家の離れで、楓はパジャマ姿で、資格試験のテキストを広げている。
デスクに頬杖をつき、シャーペンでトントンとノートを叩きながら、テキストの文字を目で追ってはいるけれど、まったく内容が頭に入ってこなかった。
もうかれこれ一時間、この調子だ。
ため息をついてペンを置き、楓は隣のベッドにごろんと横になる。
タオルケットにくるまって窓の外、三葉家の夜の庭を見つめた。
アフタヌーンティーの後、和樹の運転する車でふたりして帰宅の途についた。
途中夕食でもと誘われたが、アフタヌーンティーでお腹がいっぱいだった楓はそれを断った。
結局今に至るまでらなにも食べていないが、まったくお腹が空いていない。
……どうしてか、胸がいっぱいだった。
帰宅後、和樹とはリビングにて解散した。プライベートスペースでいつもの生活に戻ったというわけだが、楓の気持ちは平常心には戻らない。
ひとつ屋根の下に彼がいるのだいうことが気になって、どうにも落ち着かない気持ちになってしまう。
資格試験の勉強など、まったく手につかない状態だ。
目を閉じると、昼間の出来事が脳裏に浮かんでは消えた。
——彼の。
楓の髪を見つめる真剣な眼差し。
楓をからかう、無邪気な笑顔。
青い海を見つめていた綺麗な瞳……。
息を吐いて、楓は枕を抱きしめた。
胸がざわざわとして不安だった。
気を抜くと勝手に彼のことを考える思考とそれに浮き立つ心の暴走を、どうしても止められない。
はじめてのこの気持ちが、どこからくるものなのかわからなくて怖かった。
……なんでもない。はじめてづくしの一日と、美味しいケーキが嬉しかっただけ。
そう自分自身に言い聞かせて、楓は枕に顔を埋める。
そのまま眠ろうとするけれど、やっぱりうまくいかなかった。
……結局楓はその後も何度も何度も寝返りをうち、空が白みはじめる頃、ようやく眠りに落ちたのだ。
デスクに頬杖をつき、シャーペンでトントンとノートを叩きながら、テキストの文字を目で追ってはいるけれど、まったく内容が頭に入ってこなかった。
もうかれこれ一時間、この調子だ。
ため息をついてペンを置き、楓は隣のベッドにごろんと横になる。
タオルケットにくるまって窓の外、三葉家の夜の庭を見つめた。
アフタヌーンティーの後、和樹の運転する車でふたりして帰宅の途についた。
途中夕食でもと誘われたが、アフタヌーンティーでお腹がいっぱいだった楓はそれを断った。
結局今に至るまでらなにも食べていないが、まったくお腹が空いていない。
……どうしてか、胸がいっぱいだった。
帰宅後、和樹とはリビングにて解散した。プライベートスペースでいつもの生活に戻ったというわけだが、楓の気持ちは平常心には戻らない。
ひとつ屋根の下に彼がいるのだいうことが気になって、どうにも落ち着かない気持ちになってしまう。
資格試験の勉強など、まったく手につかない状態だ。
目を閉じると、昼間の出来事が脳裏に浮かんでは消えた。
——彼の。
楓の髪を見つめる真剣な眼差し。
楓をからかう、無邪気な笑顔。
青い海を見つめていた綺麗な瞳……。
息を吐いて、楓は枕を抱きしめた。
胸がざわざわとして不安だった。
気を抜くと勝手に彼のことを考える思考とそれに浮き立つ心の暴走を、どうしても止められない。
はじめてのこの気持ちが、どこからくるものなのかわからなくて怖かった。
……なんでもない。はじめてづくしの一日と、美味しいケーキが嬉しかっただけ。
そう自分自身に言い聞かせて、楓は枕に顔を埋める。
そのまま眠ろうとするけれど、やっぱりうまくいかなかった。
……結局楓はその後も何度も何度も寝返りをうち、空が白みはじめる頃、ようやく眠りに落ちたのだ。