エリート御曹司はママになった初恋妻に最愛を注ぎ続ける
「おかえりなさい亜椰ちゃん。早かったじゃない」
「叔母さん……」
驚いて目を丸くしていると、叔母さんはちょっぴり顔をしかめて縁側のふたりを指さした。
「まったく麻人くんは、無邪気な子ども掴まえて、ずるい質問ふっかけないでほしいわよね。叔母さん、すぐに出て行って叱りつけてやろうかと思ったわ。だけど胡桃ちゃん、しっかりママを見てたみたいね」
「そうなんですかね……」
だったらいいなと思いつつ、再び縁側に目を向ける。すると、胡桃の目が鋭く私の姿を見つけ、パッと笑顔になって駆け寄ってきた。
「おかえりママ~!」
「ただいま。いい子にしてた?」
「うん! ママもいっしょにしゃぼんらましよ~」
胡桃の小さな手に引かれて、庭へと移動する。
麻人さんは一瞬気まずそうな顔をしたものの、先ほどの会話を聞かれているとは思っていないのか、「お帰り。早いじゃん」と笑った。
私はシャボン玉をする胡桃を見守りつつ、縁側の麻人さんの隣に腰を下ろした。