エリート御曹司はママになった初恋妻に最愛を注ぎ続ける

「やっ……なんか、変……私」
「変じゃない。上手に感じているよ。……ここもちゃんと準備をしてる」

 スカートを捲り上げるように膝から太腿の方へ上がってきた手のひらが、下着の上から私の中心に触れる。濡れた下着が肌に貼りつく感覚に、羞恥でかぁっと頬が熱くなる。

 瑛貴さんは私が怖がらないよう優しいキスを繰り返しながら、下着の隙間に指を入れ、そこをゆっくりほぐしてくれる。

 痛みはまったく感じなかった。

 丁寧に教え込まれる初めての快楽に頭も体も同じくらい蕩けた頃、瑛貴さんはバスローブの前をはだけさせ、避妊具を着けて中に入ってきた。

 ゆっくりと体の中を押し広げられる苦しさと、彼の体温をそばで感じられる喜び、そして彼とこうしていられるのは最初で最後だという切なさが混じり合って、私の瞳に涙が浮かぶ。

「大丈夫か?」

 目尻に馴染んだ涙を吸い取るようにキスをして、瑛貴さんが私を気遣う。

 コクッと頷いてできるだけ自然な微笑みを浮かべてみせると、安心したように息をついた彼が、私の手を取って自分の背中に回させた。

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