エリート御曹司はママになった初恋妻に最愛を注ぎ続ける

「動かすから、掴まってて」
「はい……。あっ、んんっ」

 この年になると経験がなくてもすっかり耳年増で、初めてのセックスは痛いものだと刷り込まれていた。

 でも、瑛貴さんにあちこち触れられて敏感になったせいか、痛いどころか気を失いそうなほどの快感が、寄せては返す。

「瑛貴、さん……っ」
「亜椰……」

 そんなに甘い声で名前を呼ばないで。単なる欲望だけでなく、心からの愛情が溶けたような美しい瞳に、私を映さないで。

 今夜を最後に、瑛貴さんのことは忘れなければならないのに……決意がぐらぐらと揺れてしまう。

「ダメ、見ない、で……」

 愛されている錯覚なら、もう十分すぎるほど感じられた。これ以上は、彼から離れるのが辛くなるだけ。

 そう思って両手で顔を隠した。しかし瑛貴さんがすぐにその手をどけて、シーツに拘束する。

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