故意な恋~ある執事の日常~
私は坊ちゃんに叱られないか不安です。
「これくらいかまわないでしょう。言えないようなこと、他に沢山しているのでしょうし」
奥様が心を読んだように、小声で後ろに控える私に話します。
「まぁ…、そう、ですね」
そもそも私なんぞが奥様を止められるはずもありません。
「あのね、晴人が依里ちゃんを見つけたのは、依里ちゃんがまだ高校生の頃なのよ。
元々、通っているお店が同じでずっと気になっていたんですって」
奥様の言葉に、驚きを隠せない様子の若奥様。