故意な恋~ある執事の日常~
子供には、笑って、幸せでいて欲しい。
親なら誰もが願う事でしょう。
「いいお母さんですね。私も、本当のお母さんが生きてたら私の幸せを願ってくれたのかな…」
父親も、父親が連れてきた義母も、若奥様の幸せを願うことはありませんでした。
むしろ、自分たちの幸せの為なら子供を犠牲にする、そんな方たちです。
「あら、子供を愛す本当の親っていうのはね、死んでも子供の幸せを願うものよ。
たとえ、傍にいることが出来なくてもね」
奥様は普段、少々坊ちゃまに手厳しいですが、それでも愛情深く坊ちゃまを育ててこられました。