故意な恋~ある執事の日常~
料理長が肩に手を置き、彼女を慰めます。
「そうですねっ。絶対に美味しいと言わせて見せます!」
料理長の言葉に、元気を取り戻した彼女は両手を握りしめ気合を入れています。
この分だと、デザートも大丈夫そうですね。
「では、私はこの辺で」
「あぁ、あとは任せてください」
キッチンを後にし、旦那様たちが食事される部屋を確認しに行きます。
料理が出来上がる時間を計算して…、残り一時間といったところでしょうか。
「旦那様もそろそろお帰りになる頃ですね」
ーー今日も新堂家の万能執事は邸のあちこちを忙しなく動き回る。