故意な恋~ある執事の日常~
依里side
「母さん。そろそろ依里の手を離してください」
「嫌よ。晴人こそ、少しはその独占欲を押さえなさいな。
実の母に向かって殺気を放つだなんて…、そんな子に育てた覚えはないわ」
「父さんの血を引いていますから。文句なら、父さんへどうぞ」
(私を挟んで親子喧嘩をしないで欲しい…)
お義母さまの予想通り、夕食前に帰ってきたお義父さま。
帰って来るなり、お義母さまの頬にキスを贈っていた。
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