だから、泣くな
桜井くん
家族と外食を終えて家に帰ると、桜井くんからLimeの返信が来ていた。
<文章固すぎ(笑)
タメなんだし、普通でいいから(笑)>
「固すぎって言われても、桜井くんってちゃんと認識してから話したの今日が初めてだし無理あるよ…」
それに、男子とLimeするなんて中学の時以来だし、変に緊張する。麗奈に相談しようか迷ったけど、なぜか麗奈は桜井くんのことを毛嫌いしてるから相談するのは難しそうだ。
<桜井くんがフラットすぎるだけじゃないかな。
私にはハードル高いよ>
いや、こんなの送ったらちょっと嫌味だよね。なんて返したらいいか分からないよ。
<これから少しずつ慣れていくね>
悩みに悩んだ結果、こんなつまらない返事になってしまった。何か面白い返信をしろと言われても無理なのだが、これはこれでなんかちょっと違う気がする。
<奏音、少し電話しない?>
<誰かと電話なんてしたことないから、ちょっと緊張するかも>
<大丈夫、いつも通りの奏音でいいよ>
そう送られてきたかと思えば、私が返信する前に桜井くんから電話がかかってきた。そして、出るか出ないか散々悩んだ挙句、渋々電話に出た。
[も、もしもし]
«もしもし、奏音と電話で話すなんてなんか変な感じだね»
[そうだね、初めて電話したし…]
«声強ばってるけど、緊張してる?»
[うん、今まで麗奈としか電話したことないから緊張してる]
«麗奈って、今日旧校舎の図書室に来た子?»
[そうだよ。いじめっ子たちと入れ違いで来た女の子が麗奈だよ]
«奏音、今まで良く頑張ったね。明日からは絶対大丈夫だから、麗奈ちゃんと一緒にちゃんと学校おいでね»
[なんで大丈夫って言い切れるの?]
«だって俺が守るから。奏音は俺に守られてたらいいんだよ»
[そっ…そんなこと言われても、桜井くんと話してるところ見られたら余計な火種になりそうだし。それに、麗奈が守ってくれるから…]
«大丈夫。あのクズ野郎たちにはちょっと痛い目みてもらわなきゃ。奏音だって、やられっぱなしは嫌でしょ?»
[嫌だけど…仕返しする度胸もないし…]
«だから、俺がやる。奏音ばっかりやられっぱなしは、俺も悔しいしムカつくから»
[なんで桜井くんは私に優しくするの?]
«それはまだ秘密だけど、俺は奏音のことだけ大事にしたい。だから、明日からもちゃんと学校おいで。いい?»
[うん…そこまで言うなら…行くよ]
«ありがとう。まだ時間ある?»
[時間はあるけど…]
«じゃあもう少し話ししよっか。奏音のこと色々教えて»
桜井くんのペースに自分のペースが乱されて、心臓がいつもよりだいぶ早く脈打つ。私はあくまでも平常心で桜井くんと電話を続けた。
<文章固すぎ(笑)
タメなんだし、普通でいいから(笑)>
「固すぎって言われても、桜井くんってちゃんと認識してから話したの今日が初めてだし無理あるよ…」
それに、男子とLimeするなんて中学の時以来だし、変に緊張する。麗奈に相談しようか迷ったけど、なぜか麗奈は桜井くんのことを毛嫌いしてるから相談するのは難しそうだ。
<桜井くんがフラットすぎるだけじゃないかな。
私にはハードル高いよ>
いや、こんなの送ったらちょっと嫌味だよね。なんて返したらいいか分からないよ。
<これから少しずつ慣れていくね>
悩みに悩んだ結果、こんなつまらない返事になってしまった。何か面白い返信をしろと言われても無理なのだが、これはこれでなんかちょっと違う気がする。
<奏音、少し電話しない?>
<誰かと電話なんてしたことないから、ちょっと緊張するかも>
<大丈夫、いつも通りの奏音でいいよ>
そう送られてきたかと思えば、私が返信する前に桜井くんから電話がかかってきた。そして、出るか出ないか散々悩んだ挙句、渋々電話に出た。
[も、もしもし]
«もしもし、奏音と電話で話すなんてなんか変な感じだね»
[そうだね、初めて電話したし…]
«声強ばってるけど、緊張してる?»
[うん、今まで麗奈としか電話したことないから緊張してる]
«麗奈って、今日旧校舎の図書室に来た子?»
[そうだよ。いじめっ子たちと入れ違いで来た女の子が麗奈だよ]
«奏音、今まで良く頑張ったね。明日からは絶対大丈夫だから、麗奈ちゃんと一緒にちゃんと学校おいでね»
[なんで大丈夫って言い切れるの?]
«だって俺が守るから。奏音は俺に守られてたらいいんだよ»
[そっ…そんなこと言われても、桜井くんと話してるところ見られたら余計な火種になりそうだし。それに、麗奈が守ってくれるから…]
«大丈夫。あのクズ野郎たちにはちょっと痛い目みてもらわなきゃ。奏音だって、やられっぱなしは嫌でしょ?»
[嫌だけど…仕返しする度胸もないし…]
«だから、俺がやる。奏音ばっかりやられっぱなしは、俺も悔しいしムカつくから»
[なんで桜井くんは私に優しくするの?]
«それはまだ秘密だけど、俺は奏音のことだけ大事にしたい。だから、明日からもちゃんと学校おいで。いい?»
[うん…そこまで言うなら…行くよ]
«ありがとう。まだ時間ある?»
[時間はあるけど…]
«じゃあもう少し話ししよっか。奏音のこと色々教えて»
桜井くんのペースに自分のペースが乱されて、心臓がいつもよりだいぶ早く脈打つ。私はあくまでも平常心で桜井くんと電話を続けた。