敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~

「意外は余計だ。できないのは料理だけ」
「きゃっ」


調子に乗ってからかったら、聖が大きな泡を飛ばしてきた。


「もうっ、聖さん、ひどい」
「七緒がひと言余計だから」


泡のついた額と頬がくすぐったい。
洋服の袖で拭おうとしていたら、泡を洗い流し、手をタオルで拭いた聖が七緒の肩をぐいと掴む。


「こっち向いて」


そう言われたから顔を向けたのに、聖は七緒を見てプッと吹き出した。


「笑うなんて」


誰が飛ばした泡だと思っているのか。


「いや、悪い。でもいい顔してる」
「いい顔?」
「かわいいってこと」
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