敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~
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「加賀谷先生、次の患者さんで今日の診察は終わりです。紹介状はお持ちではないんですが、初診の方です」
聖は、初診の際に患者に記載してもらう問診表を看護師から受け取った。
患者は二十代前半の女性。一週間ほど前から激しい動悸を覚えているという。
既に名前などの必要事項が入力された電子カルテを開き、患者の受付ナンバーをマイクでコールする。
「失礼します」
ドアが開き、患者が入室した。
「お待たせしました。お掛けください」
椅子を勧めながら患者へ目を向けた聖は、見覚えのある顔に目を僅かに細めた。
(どこかで会った気がするが、どこだったか……)
色白で目が大きく、一般的にかわいいと言われる部類の女性だ。しかしカルテの名前を見てもピンとこない。
「加賀谷先生、次の患者さんで今日の診察は終わりです。紹介状はお持ちではないんですが、初診の方です」
聖は、初診の際に患者に記載してもらう問診表を看護師から受け取った。
患者は二十代前半の女性。一週間ほど前から激しい動悸を覚えているという。
既に名前などの必要事項が入力された電子カルテを開き、患者の受付ナンバーをマイクでコールする。
「失礼します」
ドアが開き、患者が入室した。
「お待たせしました。お掛けください」
椅子を勧めながら患者へ目を向けた聖は、見覚えのある顔に目を僅かに細めた。
(どこかで会った気がするが、どこだったか……)
色白で目が大きく、一般的にかわいいと言われる部類の女性だ。しかしカルテの名前を見てもピンとこない。