敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~
聖の言葉で思い出したのか、目がカッと大きく見開かれる。
「今、何時ですか?」
「七時過ぎ」
「いけないっ、ご飯作らなきゃ」
弾かれたように起き上がろうとした七緒を引き止めた。
「朝食ならもうできてる」
「……できてるって?」
不思議そうに首を捻る七緒に「俺が作ったから」と得意顔を向ける。
「聖さんが?」
「そう、俺が」
横になったまま胸を張った。
「先生の教え方がいいからな」
ふふっと笑った七緒の鼻先にキスをする。