敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~
メスならいざ知らず包丁も満足に握れなかった聖は結婚後、七緒に一から手ほどきを受け、簡単なものなら作れるようになった。いつもは七緒に見守られながらだが、今朝はその成果を見せようと早起き。スクランブルエッグにソーセージエッグマフィンにミニトマトをふんだんに散らした生野菜など、洋食テイストでまとめた。
「それじゃすぐに起きなくちゃ」
起き上がろうとした七緒を引き止め、腕の中に抱き寄せる。
「朝食を作らなくていいんだから急ぐ必要はないだろう?」
「でも冷めちゃう」
「冷めたらあたためればいい」
体を起こして、七緒を組み伏せた。
「その前に、まずは俺を味わってから」
「聖さんを味わうって……?」
「そのままの意味」
ニッと笑って、目を丸くする七緒に唇を重ねる。
ほんの数時間前に求め合ったばかりなのに、またすぐにでも欲しくなる。七緒とだったら四六時中繋がっていてもいい、いやむしろそうしたいと願うのは異常だろうか。