敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~
「だとしたら私もダメなのではないでしょうか。きっと聖さん、嫌がると思います」
なんとか同居は避けられないかと必死になる。
「恋人なら嫌がりはしないよ。でなきゃ結婚を考えている女性だと紹介しないだろうから」
「ですが……」
ほかになにか同居を避けられる言い訳はないかと頭を働かせる。
――そうだ。
「祖母に聞いてみませんと、私もなんともお答えできませんし。それに祖母をひとりにするのも心配というか……」
「それなら問題ないですよ。昨夜、孝枝さんともそんな話になったから」
「……祖母も納得済みなんですか?」
そんな話はひと言も聞いていない。
「本人たちがそうしたいのならそれでもとね。聖には私からも話してみよう。きっといいアイデアだと賛成するだろう」
いや、まさか。賛成はしない。