わたしのかわいいだんなさま

 そして翌朝、メリズローサは速攻で寝室に飛び込んで来た国王夫妻に、シーツにくるまった姿のままベッドの上で謝罪と説明を受けることとなった。

 王室には、王族が女神ハンナサクーニャの祝福を受けたとき、あまりにも年齢差が生じた場合に使われるための、女神ウィワンナーガの祝福を受けた白い離宮があるというのだという。
 反則技のために大っぴらにはできないが、王国存続のためなので使用もやぶさかでない。

 ウィワンナーガの祝福とは、年の取り方がとてもゆるやかになるという、なんともすごい女のロマンのようなものだそうだ。
 ただし、メリズローサが説明を受けたように、従者一人以外はキスでしか招待できない上に、純潔の淑女でないと祝福が効かないようなので、アンチエイジングには効果がないらしい。

 つまり、チョメチョメ、な朝を迎えてしまったおかげで、メリズローサの祝福の効果が切れてしまい、国王夫妻が離宮に入ってこれたのだ。

「ごめんなさいね。この馬鹿息子が、16歳で襲うとか……18歳までは我慢しろと言ったのだけれど」

 そうすれば、メリズローサと同じ年になったのにと、王妃に小言を言われ、頭をひっぱたかれたアルヴィンだったが、小鼻を少し膨らませていかにも満足そうな顔をしている。

(あー、この顔みたことあるわ。狙いに狙ったトンボを捕まえて、それはそれは嬉しそうに喜んでいた時と同じだわ)

 そう思ったら妙に笑えてきた。

 あの小さな赤ちゃんだったアルヴィンが、可愛らしく笑顔で甘えてきたアルヴィンが、いつの間にかどんどん大きくなった。
 そして欲情を帯びた目でメリズローサを見るようになってきて、とうとう美味しくいただかれてしまって……。

 本当に大人になってしまっているのだなあと、ちょっとショックを受けていたのだが、どうもそうでもなかったようだ。

 ベッドに腰かけているアルヴィンの顔を覗き込めば、輝かんばかりの笑顔を向けて、メリー、と愛らしく鳴く。


(やっぱり、いくつになっても可愛い可愛い私の殿下だわ)

「――愛してますわ。これからは一緒に年をとっていきましょうね」

 そう言って、約束通りメリズローサはアルヴィンとキスをした。
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