幼馴染と、キス。
「時間的に次でラストだ…」
「真剣にやってる?」
「やってなかったらこんなにキッチン荒れてなくない?」
「まあ確かに」
「膨らまないし焦げてばかりだし……もうどう足掻いたらいいのか分からないよ」
「………………」
悩む私とは逆に
佑斗はスマホとにらめっこ。
こっちは真剣に悩んでるのに貴方はスマホですか?
「佑斗〜」
「ん? …っ!」
こっちを向いたのと同時に、口にあの焦げた生地を突っ込んでやった。
ギッと眉根を寄せた佑斗に私はケラケラと笑う。
「美味しいでしょ?」
美味しくないことを分かった上でそう言った。
だって真っ黒だよ?
しかも膨らんでないし。絶対不味い。