幼馴染と、キス。
「今回難しかった?」
「んー、割と。言ってくから番号丸して」
「ん。」
佑斗は漢字ドリルにサラサラとペンを走らせて、私の言う番号に丸をつけてく。
私はその間に佑斗の顔をちらりと見た。
(また身長伸びてる。)
同じ身長だった『あの頃』とは違い、高校生になった佑斗はグングン身長を伸ばしてく。
今じゃ10センチくらい差がありそう。
「それで、次は?」
動く、佑斗の口。
「………あ。13番と…」
友達がキスの話をするから少しだけ意識してしまった。
(あんなこと……聞くんじゃなかった)
" キスって、どんな感じなの? "
あの日のことが、今更になって鮮明に蘇る。
中学生の頃
学校の帰り道
夕日が照らす道の真ん中で。
私は………佑斗とキスをした。