幼馴染と、キス。
興味本位だった。
あの日もこうやって友達と恋愛トークをしていて、彼氏が出来たと言っていた友達が初めてキスをしたと言った。
中学生だったっていうのもあるし、経験がまだ浅いからこそ、皆その子に釘付けで話を聞いてた。
どんな感じ?柔らかいの?
ドキドキする?緊張した?
またしたいと思う?
質問攻めにあっていたその子は恥ずかしがりながらも、だけど幸せそうで。
「うん……またしたい。」
そう言っていた友達に影響され、
私は『キス』という行為に興味を持った。
そんなにいいものなのかと。
たった唇を触れ合わせるだけで
そんなにも幸せな気分になれるのかと。
知りたかった。
味わってみたかった。
だから………
「佑斗、キスしない?」
「……………え?」
その日の学校終わり、帰り道で。
毎日一緒に帰っていた佑斗にそう言った。