幼馴染と、キス。


「………。」



びっくりした。

声が一瞬出なくなった。



ずっと考えていた『もしも』のことが

今現実となって

目の当たりにして。



「分かっ、た」



私は今、どんな顔をしているんだろう。




その後のことはよく覚えていない。

気がつくと家に着いていた。



佑斗に彼女が出来た。


あの時の『先に帰って』は、そういうことを意味していたんだ。



これから先、もう一緒に帰ることはない。

佑斗の隣は当たり前のようにあの子になる。



佑斗と過ごす時間は

前触れもなく、今日で最後を迎えた。

< 57 / 107 >

この作品をシェア

pagetop