幼馴染と、キス。


「佑斗!」

「ん?」



教科書を置いて

佑斗の方に身体を向ける。



「キス、しよう!」

「…………………は?」



そうだ。そうだよ。
終わらせればいいんだ。


するかしないかを気にするよりも

さっさと終わらせてしまえば
今日はもう悩まなくて済むわけで。



「また急な…」

「じゃないと私集中できない!」



前のめりになって佑斗に近づく。


軽く身を引いた佑斗だけど

その方向は間違っていたみたいで、


後ろはベッド。
もう逃げ場は無い。


これ以上逃げられないようにと、私は佑斗の足の上に跨った。



「ちょ……千紗っ」



その時の佑斗の焦った顔。



(わ……なにこれ)



ちょっとだけ心がゾクッとして……高揚した。



佑斗こんな顔もするんだ…って。

なんだかちょっと嬉しかった。


ドキドキと心拍数が上がる。



そして私は




「────……」




慣れないキスを、自らした。

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