幼馴染と、キス。


悪役の彼女の気持ちが今じゃ凄く分かるし、理解出来る。



(いや、でも、これはただ幼馴染として…だから)



今まで通り。何も変わらない。

きっと彼女さんも分かってくれるはず。

そう勝手に良い方に考えながらも、結局は自分がプラスになることしか考えてない。

苦手なホラー映画を一緒に見て、甘えて、ちょっとでも女として意識してくれたら。なんて。



「………悪い、帰るわ。」

「えっ…?ちょ、佑斗っ」



離れていった佑斗の後ろ姿を見て、ようやく気づく。


今の私、完全に悪役だと。


馬鹿だな、私。

なんであんなことをしたんだろう。

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