鍵取りゲーム
「……ごめんごめん!じゃあ、会議を再開してよ。」
そう言いながら彼は帽子を脱ぎ、ほこりを払う素振りを見せてから、それを机へ置いた。
やはり、『少年』であった。男性というには顔立ちが少し幼い。
この少年の名は、
出夢【イズム】。
方まであるくらいの、綺麗な金髪を後ろで束ねている。
「イズム様、資料です。」
そういいながらひとりの男がイズムにぶ厚い冊子を手渡した。
イズムはそれに軽く目を通し、髪を少しかきあげながら呟く。
「……鍵取り……か。」
その言葉に全員が反応し、一気に視線がイズムへと集まった。
「イズム様……?なにかお気に召されない点でもありましたでしょうか?」
ひとりがおずおずしながら小さく問う。
「これさぁ……国から降りてきたの?」
「は、はい。そうです。」
「ふ〜ん……ま、いいんじゃない?」
「あ、っありがとうございます!」