鍵取りゲーム
次の瞬間、まわりがわっと喜びはじめた。
「実施日は、……明後日かぁ。ちゃんと色々手続きしておいてね?」
「承知しました。」
男がそう言うと、イズムはにっこり笑った。
その笑顔はまさに無邪気な少年そのものだった。
誰もがつられて笑顔になってしまう、そんな笑顔だった。
「ミラ!」
「なあに?」
がやがやと話している黒集団と少し離れた椅子に座っている、『ミラ』と呼ばれる女性は優しく笑顔で応える。
「僕、鍵取りゲーム楽しみだよ。」
私もよ、と。
そういうとミラはもう一度微笑んだ。