恋ノ初風
GWが開けて本格的に学校が始まったという感じがする。そして今は体育に行くべく更衣室で着替えているところだ。入学式で話しかけてきた柊麗ちゃんはあれから教室でも普通に話す仲になっていた。
「心ちゃん大丈夫?顔赤いよ?」
体操服に頭、腕と通していると麗ちゃんが声をかけてきてくれた。
「うん大丈夫。ちょっと暑いだけ」
私は手で顔を仰ぐ。今朝から少し風邪気味で無理矢理学校に来た。怖かったから朝は熱を計らなかった。体は重いし喉と頭は痛いしでもう最悪。
「汗かいてるじゃん。ホントに大丈夫?」
額も体も汗ばんでいくのが分かる。寒気と暑さで体からおかしな反応が出ている。
「うん。大丈夫」
暑さと寒さが混沌としている。私は寒気が嫌だったからジャージに腕を通す。大丈夫かなあと不安を抱えつつ体育館に向かった溽暑でもないのに体は暑くて汗をかいている。脱ぎたくても脱いだら寒いし、寒気のせいで脱げない。
「おい大丈夫か?」
体育館に入った所で先にそこにいた凛が声をかけてきてくれた。
「心、体調悪いんじゃないか?」
「大丈夫。大丈夫だから」
「おい待てよ」
私が足早に去ろうとすると手を取られる。凛が私を引き止めておでこに手を当てる。
「お前、熱あるだろ」
違う…これは。熱かもしれないけど恥ずかしいから…。
「大丈夫。凛に移したら悪いから」
人の善意を踏みつぶしていくこの罪悪感。私なりの善意なのに。冷たい態度を取ってしまって心まで痛んできた。
体調の悪いまま体育が始まってしまった。しかも今日するのはよりによって運動量のおおいバスケットボール。
「心ちゃん。無理しないでね!」
準備運動で全員で走っている時、麗ちゃんがポンと背中を叩いてきた。
準備運動を終えると体育館の半分に男女で別れてそれぞれ練習が始まった。
さっきの準備運動から私の体はもう限界を迎えていた。息も苦しくなって頭痛も酷くなってきた。気を抜いたらもう倒れてしまいそう。
はぁ…はぁ…やばい。体が悲鳴を上げている。私は膝に手を当てて息を吐く。吸う量が明らかに少ない。ああ。やばい。もう、無理。
「おい!」
凛が遠くで叫んでいる声がする。辛うじて意識が残っているのが夢か現実か。
「だから無理するなって言ったろ」
体を起こされる。凛が来てくれたんだとすぐわかった。
「ほら、もう大丈夫だから」
「心ちゃん大丈夫?顔赤いよ?」
体操服に頭、腕と通していると麗ちゃんが声をかけてきてくれた。
「うん大丈夫。ちょっと暑いだけ」
私は手で顔を仰ぐ。今朝から少し風邪気味で無理矢理学校に来た。怖かったから朝は熱を計らなかった。体は重いし喉と頭は痛いしでもう最悪。
「汗かいてるじゃん。ホントに大丈夫?」
額も体も汗ばんでいくのが分かる。寒気と暑さで体からおかしな反応が出ている。
「うん。大丈夫」
暑さと寒さが混沌としている。私は寒気が嫌だったからジャージに腕を通す。大丈夫かなあと不安を抱えつつ体育館に向かった溽暑でもないのに体は暑くて汗をかいている。脱ぎたくても脱いだら寒いし、寒気のせいで脱げない。
「おい大丈夫か?」
体育館に入った所で先にそこにいた凛が声をかけてきてくれた。
「心、体調悪いんじゃないか?」
「大丈夫。大丈夫だから」
「おい待てよ」
私が足早に去ろうとすると手を取られる。凛が私を引き止めておでこに手を当てる。
「お前、熱あるだろ」
違う…これは。熱かもしれないけど恥ずかしいから…。
「大丈夫。凛に移したら悪いから」
人の善意を踏みつぶしていくこの罪悪感。私なりの善意なのに。冷たい態度を取ってしまって心まで痛んできた。
体調の悪いまま体育が始まってしまった。しかも今日するのはよりによって運動量のおおいバスケットボール。
「心ちゃん。無理しないでね!」
準備運動で全員で走っている時、麗ちゃんがポンと背中を叩いてきた。
準備運動を終えると体育館の半分に男女で別れてそれぞれ練習が始まった。
さっきの準備運動から私の体はもう限界を迎えていた。息も苦しくなって頭痛も酷くなってきた。気を抜いたらもう倒れてしまいそう。
はぁ…はぁ…やばい。体が悲鳴を上げている。私は膝に手を当てて息を吐く。吸う量が明らかに少ない。ああ。やばい。もう、無理。
「おい!」
凛が遠くで叫んでいる声がする。辛うじて意識が残っているのが夢か現実か。
「だから無理するなって言ったろ」
体を起こされる。凛が来てくれたんだとすぐわかった。
「ほら、もう大丈夫だから」