恋ノ初風
「あーあの子。連絡先知らない」
「なんだ。仲良くなったんじゃないのか」
露骨にがっかりされた。
「ちょっと話しただけだし。明日にでも交換しとくよ」
「じゃあどうしよ。どのみち明日何がいるとかを聞く人はいないわけじゃん?」
「プリントに書いてあるんじゃないの?もらったじゃん」
「あーもらったわ。帰って見てみる」
凛が水で喉を潤した。帰ってから水分を取ってないことに気づいて私も水をひとくち飲んだ。
「でも凛が同じクラスでよかった」
「席は違うけどな」
私が頼んだのはアイス乗せホットケーキ。凛はシンプルなフレンチ・トースト。休憩で入った手前、何故レストランのドリンクバーにしなかったのかと後悔している。昼食にホットケーキはどうかと思っていたけれど、チョコソースがかかったアイスとホットケーキ、苺やホイップの乗ったお皿を見た瞬間後悔の念は消えた。
「んーこれ美味しい!凛も食べてよ」
ひとくち食べ、欠けたホットケーキを凛の方に押した。
「うん。うまい」
「でしょ?あ、凛のも頂戴」
「はいはい。一口だぞ?」
「わかってるわかってる」
凛のフレンチトーストを寄せ、私は一口ナイフで切りパクリと食べた。
「美味しい!」
両頬が落ちそうになったので手で抑える。満面の笑みが無意識のうちに浮かんでくるくらい美味しかった。
「ありがと凛」
「待って」
凛が手のひらで私の動きを止めた。魔法のように私はそれに応じる。
「何」
「チョコついてる。取るから動かないで」
チョコ?ホットケーキのやつかなあ。え、恥ずかし。
「ほらとれた」
「自分で取れるよこのくらい」
「お子様には難しいかもな」
からかうようなその不吉な笑い。思わず怒りと恥ずかしさで体温が上がっていく。
「なっ…!?」
言葉にならないのはうごく感情のせい。店内ということもあり怒りは抑えられた。
「は、早く食べて他の所行こ!」
「はいはい」
私は八つ当たりのようにそう言うとかぶりつくようにホットケーキを食べた。
急いでホットケーキを食べた私と、のんびり食べていた凛とではだいぶ時間に差ができた。互いに食べ終わった後、足りない文房具を買ったり、雑貨屋さんで各々欲しい物を見たりした。帰る頃にはもう、太陽が傾き終えるかというところだった。
「んー。いっぱい買えて良かったー!」
両手に荷物を持った私は大きく手を伸ばして伸びをした。
「買いすぎだ」
「凛だってたくさん買ってたじゃん」
「なんだ。仲良くなったんじゃないのか」
露骨にがっかりされた。
「ちょっと話しただけだし。明日にでも交換しとくよ」
「じゃあどうしよ。どのみち明日何がいるとかを聞く人はいないわけじゃん?」
「プリントに書いてあるんじゃないの?もらったじゃん」
「あーもらったわ。帰って見てみる」
凛が水で喉を潤した。帰ってから水分を取ってないことに気づいて私も水をひとくち飲んだ。
「でも凛が同じクラスでよかった」
「席は違うけどな」
私が頼んだのはアイス乗せホットケーキ。凛はシンプルなフレンチ・トースト。休憩で入った手前、何故レストランのドリンクバーにしなかったのかと後悔している。昼食にホットケーキはどうかと思っていたけれど、チョコソースがかかったアイスとホットケーキ、苺やホイップの乗ったお皿を見た瞬間後悔の念は消えた。
「んーこれ美味しい!凛も食べてよ」
ひとくち食べ、欠けたホットケーキを凛の方に押した。
「うん。うまい」
「でしょ?あ、凛のも頂戴」
「はいはい。一口だぞ?」
「わかってるわかってる」
凛のフレンチトーストを寄せ、私は一口ナイフで切りパクリと食べた。
「美味しい!」
両頬が落ちそうになったので手で抑える。満面の笑みが無意識のうちに浮かんでくるくらい美味しかった。
「ありがと凛」
「待って」
凛が手のひらで私の動きを止めた。魔法のように私はそれに応じる。
「何」
「チョコついてる。取るから動かないで」
チョコ?ホットケーキのやつかなあ。え、恥ずかし。
「ほらとれた」
「自分で取れるよこのくらい」
「お子様には難しいかもな」
からかうようなその不吉な笑い。思わず怒りと恥ずかしさで体温が上がっていく。
「なっ…!?」
言葉にならないのはうごく感情のせい。店内ということもあり怒りは抑えられた。
「は、早く食べて他の所行こ!」
「はいはい」
私は八つ当たりのようにそう言うとかぶりつくようにホットケーキを食べた。
急いでホットケーキを食べた私と、のんびり食べていた凛とではだいぶ時間に差ができた。互いに食べ終わった後、足りない文房具を買ったり、雑貨屋さんで各々欲しい物を見たりした。帰る頃にはもう、太陽が傾き終えるかというところだった。
「んー。いっぱい買えて良かったー!」
両手に荷物を持った私は大きく手を伸ばして伸びをした。
「買いすぎだ」
「凛だってたくさん買ってたじゃん」