沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
運命の相手に出会いたい
私のお母さんは、運命の赤い糸が見える人でした。
「ねぇママ、私にも赤い糸がある? 誰かと結ばれてる?」
「由乃はまだ、誰とも結ばれてないみたいね」
「もう私、10歳だよ。一人で寝れるようになったんだよ。縁結びの神様、あまのじゃくすぎでしょ?」
「確かに、あの神様は気分屋ね。でも、ふくれてちゃダメよ」
「ん?」
「いつもニコニコしてる人が大好きな神様なの。だから由乃、運命の人に出会いたかったら、笑顔笑顔」
「うん、わかった」
「そして誰かと赤い糸で結ばれたら、その糸を大事にしないさね」
「なんで?」
「もし切れてしまったら、その人とは二度と結ばれないから」
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