沼っちゃうほど甘い溺愛ラリーなんて、続けられません
「由乃ちゃん、おっはよ~」
「おっ……おはよ」
はぁ、よかった~。
桃園くんは普段通りだ。
屈託ない笑顔で、私に挨拶をしてくれた。
一人でも私を拒絶しない人がいてくれる。
いつも通りに、笑いかけてくれる人がいる。
それだけで、心ってちょっとだけ軽くなるんだね。
桃園くん、ありがとう。
「今日も雨だね。由乃ちゃんはちゃんと傘持ってきた? って、さしてきたか。これだけ雨が降ってるもんね。アハハ」
「……うん」
「どうした? なんかあった?」
「えっ?」
「由乃ちゃんのエンジェルスマイル、今日はお休みなの? 毎朝の俺の楽しみなのに」